メーオーセーオー

越前魔太郎の「魔界探偵冥王星O ヴァイオリンのV」と
「魔界探偵冥王星O ウォーカーのW」を読了。


この越前魔太郎というのが「突如現れた覆面作家」(笑)で、
舞城王太郎原案の「NECK」の登場人物のひとりである。

舞城自身も覆面作家で、当初は舞城執筆作品かと思われてたが、
どうやら現時点では複数作家説が濃厚な模様。
まあ4月に2本、6月に2本、8月に2本のペースだから
常識で考えたらひとりで執筆とか無理ってのはわかるけどな。
おそらく最後に出す分を舞城がうまーく解釈してメタ小説に仕上げてくれるんじゃあないかと個人的には期待しているんだけど、どうなることやら。


さて感想。
ヴァイオリンのVは正直ガッカリ。
講談社ノベルスだしタイトルに探偵って単語があるから、そこそこのミステリな作品だと期待していた。
蓋を開けてみると、クトゥルーチックな世界観でのアクション映画。
描写もイマイチ。
舞城の文体を真似て書こうとしたのかどうかは知らないが、からまわっている感じ。
読む価値は無い……と言いたいけれど、魔界探偵冥王星Oの世界観やら設定やらを理解する分にはいいんじゃあないかな。


ウォーカーのWは思ったよりも良かった。
電撃文庫だしどうせラノベなんだろ?買うの恥ずかしかったし。
だけどヴァイオリンのVよりも講談社ノベルズしてました。
そこそこに楽しめる作品に仕上がってました。
ただ主人公まわりの人間関係がヴァイオリンのV既読を想定して書いてるんじゃないだろうかという、そっけない描写。
少々アラは気にはなったけど、でもまあ全体的には悪くはない。
でも表紙がちょっと恥ずかしいんだよなぁ…
電撃だし、しょうがないのかなぁ…
ヴァイオリンのVの表紙がキモいって人がいたけど、ウォーカーのWよりはよっぽどマシだと思えてくる。